東芝が子会社の東芝クライアントソリューションの株式をシャープへ譲渡
東芝が子会社の東芝クライアントソリューションの株式をシャープへ譲渡
6月初頭、東芝がパソコン事業の子会社である子会社東芝クライアントソリューションの株式の80.1%を譲渡し、シャープの子会社となることが決定した 東芝のPC事業は、2015年の12月に富士通やVAIOと共に事業統合が検討されていたが、諸所の問題で頓挫していた。パソコンの出荷台数も2ピークの2011年度に比べて2017年度には8%程度まで低迷、さらに同年は96億円の赤字を営業利益で出している。既に東芝は様々な事業を売却しており、経営の柱と位置付けていたメモリ事業の東芝メモリも原発事業による債務超過のため売りに出され、今月1日に米ベインキャピタルへ売却している。
一方で、問題の原子力事業の売却により2018年の3月末までに負債超過の解消がなされ、東芝メモリへの出資もHOYAと合わせて日本勢で過半出資を維持するなどしている。
またパソコン事業についても東芝は別の子会社に事業を継承させる上、ディスプレイ事業などのシャープが得意とする事業との連携により互いに成長する方針なようだ。
シャープについては2016年の8月に鴻海精密工業(香港)の傘下に入り、戴正呉氏が新たにトップに立った。今年の4月26日には全四半期が最終黒字(10年ぶり)になり、すべてのセグメントの増収を記録している。特にディスプレモジュールなどをもつ事業ドメイン「アドバンスディスプレイシステム」では、特に今夏発売予定の同社のスマホ「AQUOS」シリーズに、自社製の有機ELを搭載する予定を発表している。
担当からのコメント
2015年に発覚した不正会計の記憶が完全に風化しきる前に生じた原発事業の失敗。損失もさることながら、ついに東芝も倒産してしまうのかという憶測さえ起こりました。しかし昨年度の負債超過をのりきり、また今回の事業売却も完全撤退という形ではなく他企業との連携を視野にいれたものということで、これから挽回していく予兆を感じることができました。
あとはシャープと同様に社内の雰囲気改善をはかる策を実行できれば、業績や信頼も回復していくのではないでしょうか。