中国の給油式スクリュー圧縮機メーカー上海斯可絡圧縮機有限公司がアネスト岩田に出資持分の51%を譲渡
中国の給油式スクリュー圧縮機メーカー上海斯可絡圧縮機有限公司がアネスト岩田に出資持分の51%を譲渡
2017年11月2日
中国の給油式スクリュー圧縮機メーカー上海斯可絡圧縮機有限公司がアネスト岩田株式会社に出資持分の51%を譲渡し、アネスト岩田の子会社となる事が11月2日明らかとなった。
上海斯可絡圧縮機有限公司は中国のスクリュー圧縮機メーカーであり、国内向けの製造販売の他、アジア・ヨーロッパを中心に、40ヶ国以上に展開している。アネスト岩田株式会社は、産業用、ホビー用等に小型圧縮機やオイルフリー圧縮機をラインナップしてきた。上海斯可絡圧縮機有限公司の保有する製品群はこれに比較して中型から大型のラインナップに強く、中国本土及び海外への販路も保有しているため同社の取得により高いシナジー効果を得られることを狙う。
スクリュー式圧縮機は他の方式と比較して高圧縮比、低振動、低騒音が特徴で、給油式は潤滑油噴霧によって圧縮ガスを冷却出来ることが、無給油式では清浄圧縮空気の製造が可能なことを利用して、食品や半導体素子製造プラント用に使用されている。
大型のスクリュー式圧縮機では神戸製鋼所が世界40%のシェアを持っており、海外展開を精力的に進めている。アネスト岩田も海外20ヶ国以上に30以上の拠点を配置してグローバル化を進めており、今回のM&Aによって製品ラインナップ、海外製造拠点、販売網が強化される。
コメント
アネスト岩田による上海斯可絡圧縮機有限公司の項会社化は、同業種でありながら製品ラインナップ、販売先の重複が少なく、高いシナジー効果が期待できる模範的なM&A案件である様です。アネスト岩田の扱うコンプレッサーは、塗装や工場のFA機器に用いる空圧機器用のアジア地域の工業化に伴いさらなる需要が見込まれています。
昨今では中国、台湾等の産業機器メーカーの製品品質が非常に高くなっており、日系企業の業務提携やM&Aの対象として認識され始めています。今後も同様の現地企業のM&A案件が増えるのではないでしょうか。