事務機器メーカーのリコーが、子会社のリコー電子デバイスの一部株式を日清紡ホールディングスに譲渡

事務機器メーカーのリコーが、子会社のリコー電子デバイスの一部株式を日清紡ホールディングスに譲渡

事務機器メーカーリコーのニュース写真
2017年10月30日

事務機器メーカーの株式会社リコーが、半導体製造子会社のリコー電子デバイス株式会社の発行済み株式の80%を日清紡ホールディングス株式会社に譲渡する事が10月30日に明らかとなった。

日清紡ホールディングスは傘下に日本無線株式会社と新日本無線株式会社を保有しており、無線通信システムや、車載、携帯機器向けの電子部品の製造販売を行っている。主力となる製品は低ノイズアンプや、電源IC、無線、IoT用デバイス向けのアナログ半導体など。
リコー電子デバイスは電源ICやCMOSアナログ半導体の製造を得意とし、特にスマートホン向け電源ICではトップクラスの採用実績を持つ。日清紡は、同社を取得する事により、取扱い製品群の拡充と市場競争力の強化を狙う。

昨今では、従来の主力製品であった携帯電子機器に加え、自動運転技術や自動車のIoTともいえるコネクテッドカー、自動車のEV、HEV化などにより需要の拡大が継続している。また、IoT分野においても組込みコンピュータを構成するため、アナログICの需要が伸びており、半導体製造工程における協力・補完関係が期待できるとする。

一方、株式会社リコーは情報処理の電子化による複合機市場の縮小の影響を大きく受けている。リコー電子デバイスの分社化も事業再編の一環であり、経営資源の選択と集中による業績の回復を急ぐ。

リコー電子デバイスは、2014年6月に分社化、2017年3月売上高 約231億円。

コメント

オフィスのペーパーレス化により、プリンター、FAXなどの複合機需要は大幅に減少しています。先行して市場の縮小が進んでいるフィルムカメラ業界と同様の大規模な市場変化が訪れており、キャノンやゼロックスなど同様の複合機メーカーも他市場への新規参入を積極的に行っています。
リコーもヘルスケア事業の拡大のため、横河電気株式会社から脳磁計事業の譲渡を受けるなど成長産業への投資を行っており。既存事業の競争力強化、市場影響力の拡大などを目的としたM&Aが続くものと思われます。

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