IT・情報処理業等の富士通がパソコン製造子会社の株式をLenovoと日本政策投資銀行に譲渡、合弁会社化

IT・情報処理業等の富士通がパソコン製造子会社の株式をLenovoと日本政策投資銀行に譲渡、合弁会社化

IT/情報処理の写真
2017年11月2日

IT・情報処理業等の富士通株式会社のパソコン製造子会社である富士通クライアントコンピューティング株式会社の株式のうち、51%をパソコン大手Lenovo Group Limitedに、5%を日本製作投資銀行に譲渡し、合弁会社を設立する事が明らかとなった。合弁後も富士通クライアントコンピューティングの社名を変更せず使用する。

Lenovoが日系のパソコン製造メーカーと事業統合するのは2016年7月のNECに続き2社目。グローバルでは2004年12月に米IBM社のパソコン事業の譲渡を受けており2016年の世界販売シェアは21%。今回の富士通からの事業譲渡を受け、国内シェアは40%以上まで伸びる見込みで、市場への影響力を増している。両社は、富士通の製造工程自動化とlenovoの部品調達力、販路を活用し一層のシェア拡大を狙いたい考え。
富士通は、東芝、VAIOとのパソコン事業統合も検討していたがVAIOは独自路線を追求、東芝は単独での事業再生が可能との判断によりとん挫していた経緯が有る。

富士通による株式譲渡は2018年第1四半期に行われる予定で、譲渡後も富士通ブランド製品の製造、販売を継続する。また、販路とアフターサポートサービスも継続して提供を行う。

富士通クライアントコンピューティング株式会社の資本金は400百万円、社員数は1,128名(2017日6月1日)。株式譲渡金額は約280億円(lenovo255億円、日本政府投資銀行25億円)。

コメント

情報関連機器の製造では、日本の得意としている垂直統合モデルが崩壊し、i phoneの製造請負で有名な鴻海精密工業などが得意とする水平統合モデルが市場を席巻しています。
今回のM&Aもこのような市場の変化によってもたらされた結果であり、ガリバー化したLenovoの部品調達、製造レイヤーが、IBM、富士通、NECのブランド、販売レイヤーを吸収していると理解できます。
本来、グローバルでの競争力に乏しい国内メーカーは、外資に対抗するためにも早期のM&Aにより競争力、ブランド力強化を行うべきであったのかもしれません。

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