IT会社の株式会社WILBYが家電販売大手のビックカメラに全株式を譲渡
IT会社の株式会社WILBYが家電販売大手のビックカメラに全株式を譲渡
2017年10月30日
Webサービスの企画・開発・運営を行うIT会社の株式会社WILBYは、家電販売大手の株式会社ビックカメラに発行済全株式を譲渡する事が10月30日に明らかとなった。
株式会社WILBYはさまざまな情報機器やIT系ガジェット、その他新製品を紹介するキュレーターサイト、「SAKIDORI」の運営を行っている。ビックカメラは、消費者の購買行動の変化に対応する為オムニチャネル化への対応強化をうたっており、WILBYのキュレーターサイトを通じた商品紹介のノウハウを高く評価した。今後は自社通販サイトの品質向上などを目指す。
近年、家電量販店各社は、ネット販売による流通形態の大きな変化への対応に迫られており、その業態を大きく変化させている。ビックカメラは販売品種の増加による売上拡充を狙い、リフォーム関連商材及び工事請負への進出やM&Aによる事業拡大の動きを強めていた。これまでに、エディオンとベスト電器との資本提携を行ってきたが、この2社との提携は解消している。2010年にはパソコン販売のソフマップ、2012年には家電販売のコジマを子会社化している。
WILBYの子会社化により、販売のオムニチャネル化への対応を行い、実店舗による販売tと最も競合するEC事業の強化に取り組む。
オムニチャネル化とは、顧客の消費行動の内、商品の認知、比較、選択、購入などの各スキームで実店舗、雑誌、Webサイトなど様々なメディアを自由に使って行われている状態を示している。既存の家電量販店では、『店舗のショールーム化』が問題となっており、顧客の購入行動を如何にして自社の実店舗もしくは通販サイトへ誘導するかが課題となっている。
コメント
家電製品の購入行動として、価格比較サイトでの商品比較、実店舗での確認、ネットショップでの購入という経験は誰しもあるのではないでしょうか。販売店にとって大きな負担となる実店舗を最大限に生かすためには移動距離、時間ゼロで到達できるネット上の店舗との連携が不可欠となるでしょう。ネット通販のガリバーであるアマゾンに対抗するため、今後も家電量販店のEC事業の強化は続き、IT関連企業に対するM&Aは続くものと思われます。ネット上の情報の取捨選択が難しくなる中、信頼性のあるキュレーターサイトはとても身近な存在になっており、仕入れによって製品を選別していた家電量販店の重要な機能を体現していると言えるかもしれません。