会社売却の相場や価格の決め方とは?・その2マーケットアプローチ
市場で取引されている株式との相対的な評価アプローチにより、一定の客観性に優れている方法とされているマーケットアプローチについてご説明いたします。
現経営者へのメリットが大きいということもありますので、下記内容などでお悩みでしたら当社へご相談ください。
マーケットアプローチとは
株価は、それぞれの企業や業種が持つプラスとマイナスの要素を、市場参加者が十分吟味して取引を行い決定する信頼性の高い数値です。その株価や、上場している同業他社や類似取引事例などを参照して相対的に会社売却の相場や価格を算定するのがマーケットアプローチです。最近では中堅中小企業の評価実務でも、このマーケットアプローチを採用するケースが増加傾向にあります。
事業コンセプト・ビジネスモデル・成長ステージが異なる場合、または類似した上場企業がない場合には、会社固有の性質を反映させることができない場合もあります。しかし、市場のトレンドを反映して、客観性に優れているなどのメリットが魅力的な方法でもあります。マーケットアプローチの種類には、類似業種比較法と類似企業比較法があります。
類似業種比較法(類似業種比準価額法)
国税庁が公表する業種別月平均株価に基づいて、類似する業種と評価対象会社の配当額・利益額・純資産額を調整した上で、評価対象企業の株価を求めたものを評価とする方法です。
手早く価値を算出したい場合や、上場を目標に置いているという場合に採用されます。正確な算出根拠を得られない、乗じる係数によって算出される価値が大きく左右されるという面を持っています。
類似企業比較法(類似企業株価標倍率法)
売り手企業と業種や規模が類似する公開企業の平均株価を基礎として、配当金・利益額・純資産額を調整して算出した株価で評価する方法です。
利益・純資産・償却前営業利益と近い意味を持つEBITDA(Earnings Before Interest、Tax、Depreciation and Amortization)を経営指標として用いることが一般的です。