M&A用語集
シナジー効果とは、日本語では「相乗効果」という意味で、合併などにより、それぞれの企業が持つ技術力、販売力、開発力など経営資源の間に生じる相乗効果のことをいう。M&Aでは、それぞれの企業の利点や魅力をうまく融合させ、単純な総和以上の大きな効果を生み出すことを指す。シナジー効果は同業だけでなく異業種の企業間でも生み出すことが出来、互いに異なる要素を組み合わせたり補ったりすることで、新たな効果をもたらす場合がある。このように、シナジー効果はM&Aの醍醐味のひとつといえる。
デット・サービス・カバレッジ・レシオ(DSCR: Debt Service Coverage Ratio)とは、企業の元利金支払い能力を判断する指標のひとつで、DSCRが高いと元利金支払い能力が高いことを示す。
ボラティリティ(Volatility)とは、値動きの変動率の意。金融資産のボラティリティが高いと、大きなリターンを得る可能性が生まれる一方で、大きな損失を被るリスクも増大する。金融資産のオプション価格を決定する際に、価格に影響する重要な要因のひとつである。
インスタント・カバレッジ・レシオ(ICR: Interest Coverage Ratio)とは、企業の金利支払い能力を判断するひとつの指標のことで、IRCが高いほど金利支払い能力があるということになる。また、企業の財務安定性を判断する指標にもなる。
合併差損とは、①存続会社が承継する消滅会社の債務の額が、存続会社が承継する消滅会社の資産の額を超える場合、②存続会社が消滅会社の株主に対して交付する金銭等(存続会社の株式等除く)の帳簿価額が承継資産額から承継債務額を控除して得た額を超える場合に生じるものをいう。
会社法上、ある会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有している場合のように、ある会社が他の会社等の「財務及び事業の方針の決定を支配している場合」において、支配されている側の会社を子会社という。
垂直型M&Aとは、同一業種の中で異なる段階の企業を統合しているM&Aの意。たとえば、原油採掘事業を営む会社が石油精製会社や石油製品販売会社などを買収していく場合が、この垂直型M&Aに区分される。
持株会社(ホールディングカンパニー)とは、他の株式会社の株式を保有し、支配することを目的とする会社のこと。持株会社には、専ら株式所有にとって他社の事業を支配することを目的とする純粋持株会社と、それ以外にも独自の事業を行っている事業持株会社とがあるが、通常、単に「持株会社」というときは前者を指すことが多い。