M&A用語集
企業文化とは個別の企業に根付いた社風や風土のようなものをいう。M&Aを行う場合、たとえ友好的買収であっても企業同士の異文化が混ざり合うには時間や相互理解が必要となり、買収企業が売却企業に自らの文化を早急に押しつける形は避けたいものである。M&Aではお互いの企業文化も重要なポイントとなるといえる。
親子逆転企業とは、親会社の時価総額より、子会社の時価総額の方が割高の企業のこと。ライブドアとフジテレビの争いが記憶に新しい。フジテレビは2005年時点で親会社のニッポン放送の時価総額より子会社のフジテレビの時価総額が3約3倍も高い状態だった。時価総額が安い親会社を買収すれば、優良な子会社を手中にすることが可能になる。このように、時価総額が安い会社には敵対的TOBをかけやすいということができる。
アジル・コンペティションとは、agility(迅速性)を重視した競争のことで、ニーズや環境等の変化にいかに迅速に対応できるかを巡る競争のこと。ビデオのベータ方式とVHS方式との競争のように先に市場シェアを取ること(VHS方式が先に市場を制し、競争に打ち勝った)や、いち早く販売網を作り上げること、新製品を次々に開発する企業はアジル・コンペティションに強いといえる。M&Aを利用すると、新技術を持つ企業を買収することで、技術開発のコスト削減や時間ロスをはかりつつ、いち早くニーズに対処できる。また、同業を買収し販売網拡大のシナジーを生むことで、やはりアジル・コンペティションに勝ち残ることが出来るといえる。アジル・コンペティションに強い会社は先行者利益を獲得できるチャンスが増える為、M&Aが注目されている。
資本提携とは、持ち株比率10%弱、つまり経営支配権を有しない程度でお互いの企業が、相互の株式を持ち合い、もしくは、一方の企業が他方の企業の株式を保有することで、事業面の協力関係だけではなく、出資関係も有することをいう。基本的には相互の独立性を保つことを前提としながら、関係を強化していくことが狙い。
同族会社とは、3人あるいは3グループ以下の株主(同族株主)で、全体の発行済み株式の50%以上を占める会社のことをいう。また、このときのグループとは、家族や親戚等を含むので、6人家族で各々株を所有していても、1グループとみなされる。