さ行
事後設立とは、会社設立前から存在する財産で事業のために継続して使用するものを、会社成立後2年以内に純資産額の20%(定款でこれより低い割合を定めたときはその割合)を超える対価で取得することをいう。
A社、B社間の合併のうち、A社・B社のどちらも消滅会社となり、新規に会社を登記するものを指す。現在交付されている免許や許認可を取り直さなければならないというデメリットがあり、あまり頻繁には行われていない。どちらかが消滅すると従業員のモチベーションが落ちる場合に新設合併という形がとられたりする。
事前警告型ライツプランとは、買収者が遵守すべき手続きを予め定め、買収者がその手続きを遵守しない場合やその手続きを通じて買収者が濫用的買収者であることが明らかになった場合には、差別的行使条件付新株予約権を無償割当てすることを事前に警告しておく買収防衛策のこと。
現在導入されている信託型ライツプランには、発行会社がいったんSPC(ある特定の事業の目的のために設立され、運営されている会社)に新株予約権を割り当てた上で、SPCが委託者となり、信託銀行との間で信託を設定する「SPC方式」と、発行会社が直接信託銀行に新株予約件を割り当てる「直接割当方式」がある。
シナジー効果とは、日本語では「相乗効果」という意味で、合併などにより、それぞれの企業が持つ技術力、販売力、開発力など経営資源の間に生じる相乗効果のことをいう。M&Aでは、それぞれの企業の利点や魅力をうまく融合させ、単純な総和以上の大きな効果を生み出すことを指す。シナジー効果は同業だけでなく異業種の企業間でも生み出すことが出来、互いに異なる要素を組み合わせたり補ったりすることで、新たな効果をもたらす場合がある。このように、シナジー効果はM&Aの醍醐味のひとつといえる。
垂直型M&Aとは、同一業種の中で異なる段階の企業を統合しているM&Aの意。たとえば、原油採掘事業を営む会社が石油精製会社や石油製品販売会社などを買収していく場合が、この垂直型M&Aに区分される。