M&Aで会社売却に成功し、心身の健康を取り戻す!
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正式契約前の思わぬストップ
ところが、いざ正式契約に進もうという段階で、買い手B社から思わぬ話が舞い込んできました。B社長が個人的に行っている仕事の関係で、急に海外出張に行かなくてはならないというのです。期間は約2週間という長いものでした。M&Aの場合、前々から伝えていればともかく、突然のスケジュールの変更は好まれるものではありません。流れを大切にするのも、お互いの信頼関係を築くのには大切なことだからです。まして急な変更は、特に売り手にとって様々な疑念が湧いてしまいがちです。
買い手B社長は、弊社に海外出張の理由をかなり詳細に伝えてくれ、帰国の日にちまでも教えてくれました。A社長は戸惑いながらも了承。しかし、実際には、帰国の日になってもB社長は帰ってきません。あらゆる手段で直接連絡を取ろうと試みましたがB社長からの連絡はなく、トップ面談で同席した、B社の従業員に連絡を取っても、B社長は帰っていないの一点張り。これにはさすがの温厚なA社長も心配し、弊社に何度となく「B社はC社を買う意志があるのか」ということを聞いてきました。正式契約前になって、突然に契約破棄しようとしているかもしれないと、疑心暗鬼になったようです。
弊社としても、あれほどまでに買収意思を弊社に最初から明確に伝えてきたB社長なのだから、何か事情があって帰国が遅れているのだろうという思いがありつつも、A社長の心情を思うと、1日1日、不安の募る日々を過ごしました。
そして、B社長が海外出張に出かけて早1ヶ月が過ぎた頃、ようやくB社長から帰国の連絡がありました。海外出張が思いの外延びてしまったことや、海外出張中に連絡が取れず、売り手A社長に心配をかけてしまったことを丁寧に詫びる内容でした。それとともに、さっそく正式契約に進みたいが、売り手A社長が売却の意向を変えてしまっていないか、逆に心配していました。
案の定、弊社がA社長にB社長が帰国したこと、正式契約の意思があることを伝えたところ、少し考えさせてほしいとのことでした。しかし、これまでB社長がA社長やC社を強く信頼し、基本合意やDDをスムーズに進めてきてくれた中から、B社長のC社獲得への熱い思いを感じ取っていたこともあり、A社長は正式契約に進むことに同意します。
正式契約は首都圏にある、売り手A社会議室で行われました。無事調印が行われ、B社長の海外出張期間を除けば、実質約4ヶ月でM&Aが終了した、まさに即断即決のM&Aとなりました。
M&A完了後に買い手B社は事業を精力的に拡大
B社は、その後弊社を仲介としてC社に関連した企業も買収を成功させ、ますます東北エリアでの土木・建設業に注力し、順調に推移しているとのことです。B社長も、まさに取得したいと思っていた業種のC社を買収することが出来たので、精力的に経営に邁進しているようです。M&A完了後に売り手A社長は心身の健康を取り戻す
遠方のC社へ行ったり来たりする日々から体調が悪化してしまったA社長は、M&A完了後とても晴れ晴れとした表情をしていました。今までは週末にかけてホテルを予約してC社に出向く等、少しでも体が楽な状態でC社に出張できるよう工夫していたそうですが、移動の苦労の割に、自分が当初思い描いていたA社とのシナジーもほとんど見込めず、C社の社員の人心掌握にも翻弄され、想像以上にきつい日々だったようです。「本当に移動ばかり、心労ばかりの経営だったよ。経営に大切な、自分の健康も壊してしまったほどだ。C社買収は自分の経営人生で最大の失敗だったが、中小企業M&Aサポートさんには本当に助けられた思いだ。C社の従業員にはとても申し訳なくて、決して大きな声で言える話ではないが・・・東北にはしばらく行きたくないな。」とA社長は苦笑いしていました。
(第3回/全3回)
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