建設機械販売会社2/6:事例5:「こうして私は会社を売却しました。」中小企業のM&A実例
「2代目社長の早期会社譲渡の決断でハッピーリタイア」
長期縮小傾向にある建設機械業界で生き残っていくために、A社長は広範囲から優秀な人材を集めたいと考え、思い切ってモダンな造りの新社屋に建て替えました。ところが、その竣工間近にリーマンショックが起こり、一気に市場は冷え込み売り上げが激減し、新社屋の建て替えのために
調達した借入金2億5,000万円が大きな負担となってしまいました。
また、ヒアリングで譲渡理由をお聞きしたところ、A社長は自らの経営人生の話とともに答えてくれました。A社長が実父の創業したA社を継いだのは、20代の頃でした。東京で働いていたところ、突然父親が亡くなってしまい、急遽、社長を継ぐ事になったのです。元来、創業者だった父親は会社を子供に継がせる考えはなく、A社長自身も会社経営に興味はありませんでした。親元を離れてサラリーマンとして働き、将来の夢をふくらませていたA社長にとって、A社を継ぐという事は、思いもよらない出来事でした。
突然会社を継いだこともあり、A社長の経営人生は苦労の連続でしたが、就任して約20年経ち、そろそろ自分の本来やりたかった事をやっても良いだろうと近年考えるようになったことも重なり、後継者がいない為、譲渡を決意したとのことでした。
後日、A社長から「貴社に譲渡をお願いしたい。」と正式に依頼があり、従業員の雇用を守ってくれる譲受先を探してほしいとの事でした。
(第2回終/全6回)
中小企業のM&A実例/事例5:建設機械販売会社のケース(第1回)
中小企業のM&A実例/事例5:建設機械販売会社のケース(第3回)
中小企業のM&A実例/事例5:建設機械販売会社のケース(第4回)
中小企業のM&A実例/事例5:建設機械販売会社のケース(第5回)
中小企業のM&A実例/事例5:建設機械販売会社のケース(第6回)