英会話スクール4/7:事例4:「こうして私は会社を売却しました。」中小企業のM&A実例
「会社譲渡決断から僅か3ヶ月でスピード譲渡」
買収監査への誤解
基本合意書締結も滞りなく和やかに終え、買収監査の流れとなりました。
しかし、ハプニングなく進むM&Aディールはないといっても過言ではありません。必ず産みの苦しみは存在します。公認会計士による財務買収監査、弁護士による法務買収監査が行われましたが、A社長は会社の実情を詳しく聞かれたことを、自社の財務内容や法務問題について信用されていない為だと考えたようで、これ以上ヒアリングするなら譲渡するのをやめると言い出しました。筆者から買収監査はM&Aには必要不可欠であり、決して疑っているわけでないことをご説明し理解してもらいました。
M&Aでは、基本合意書の締結後に、買い手企業側による買収監査が行われます。買収監査には企業の生産体制や販売網を調査するビジネス・デューデリジェンス、財務体質や資産繰り、簿外債務等の有無等を調査するフィナンシャル・デューデリジェンス、重要な契約の内容、重要な資産についての法的瑕疵、係争事件の有無等を調査するリーガル・デューデリジェンスがあります。
正式契約調印式・クロージング
正式契約書調印式は都内にあるB社事務所にて行われました。基本合意同様、譲渡側はA社長が夫婦で同席され、弊社が契約書を読み上げて最終確認、司法書士による登記関連書類の確認、株券の引渡が行われました。会社実印、通帳などの引渡も行われました。
A社長は終始笑顔で、調印式最後の挨拶が行われた際に「創業して30年、次の世代に顧客や従業員をバトンタッチすること・・・、これこそが経営者として最後の大仕事であり、社会に対する責任であります。これを果たすことができ、安心して引退できます。」と話されていました。
(第4回終/全7回)
中小企業のM&A実例/事例4:英会話スクールのケース(第1回)
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