訪問介護・居宅介護事業会社7/7:事例3:「こうして私は会社を売却しました。」中小企業のM&A実例
「戦略上の理由から会社を譲渡」
(3)問題克服のために取った方策
●A社の財務数値を把握するために弊社から質問を繰り返した。時間の浪費につながってしまったものの買収候補先にしっかりと説明できた。
●どうしても譲れない条件を明確化し、それ以外の条件や交渉方法は全て当社に一任してもらい、譲受希望会社と条件調整をした。
●基本合意後は、譲渡側・譲受側両社が協力して誠実に対処することこそが、正式契約締結に結びつくことをご説明し、段取りをしっかりサポートした。
両社がお互いの信頼関係を構築していくことは、M&Aを推進する上で大変重要になります。条件を大きく変更せず交渉していくことや、相手が求める情報を正確にタイムリーに開示することは、相手の信用を得るための大切なポイントになります。
4)M&A終了、その後の後日談
引継期間が終了間近の頃、買い手B社長から電話がありました。「譲渡会社A社長の手助けもあって、心配していた利用者との再契約も無事終了しました。従業員も一人も辞めることなく働いてくれ、昼夜を問わずお客に一生懸命接している姿には、本当に頭が下がる思いです。利用者の維持や営業活動も精力的に頑張ってくれていて、トップ面談でA社長が従業員を宜しくと何度もおっしゃっていたが、今後、自分も従業員と一緒になって頑張っていきたい。」とおっしゃっていました。
A社長からも、「正式契約後の従業員説明の際、新社長は皆さんを大切にしてくれる方だと胸を張って伝えることが出来ました。そういう信頼できる先に譲渡することが出来て本当に良かった。」と連絡がありました。成約まで時間がかかりましたが、両社にご満足頂ける良い縁組をお手伝いできたと嬉しく思いました。
(最終回終/全7回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第1回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第2回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第3回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第4回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第5回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第6回)