訪問介護・居宅介護事業会社4/7:事例3:「こうして私は会社を売却しました。」中小企業のM&A実例
「戦略上の理由から会社を譲渡」
基本合意後のハプニング
基本合意書締結後、まず事務所の賃貸借契約書の再契約について家主の承諾を得る為不動産屋に連絡をした際に、「もっと事情を早く教えてほしかった、家主に顔向けが出来ない」とクレームがありました。
事業譲渡の際にはこのようなケースがリスク要因となることは既にお伝えした通りです。M&Aが世の中に大分広まってきたとはいえ、経験のない方が大部分ですので、このような時は、A社長から窓口不動産会社と家主のそれぞれに直接出向いて事情を誠実に説明して頂き、結果として理解を得ることができました。
また、訪問介護事業は地方自治体の指定事業者の認可が必要になる関係から事業譲渡の場合は、瑕疵なく譲渡完了させるにはテクニックが必要になります。特にB社長は介護事業にはほとんど知識がなかったため、A社長の協力を得て慎重に指定事業者申請手続きを行いました。結果として全て問題なく完了させることが出来ました。
正式契約調印、クロージングは滞りなく行われました。B社長が懸念していた新会社と利用者との再契約も順調に進みました。
事業譲渡には税務上も含めて様々なメリットがあります。繰り返しになりますが、事業譲渡は契約上の地位が継承されないという特徴があります。実施する際には、様々なM&A手法の性質を十分に理解して、両社のニーズに合った選択をする必要があります。
(第4回終/全7回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第1回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第2回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第3回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第5回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第6回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第7回)