進学塾7/7:事例2:「こうして私は会社を売却しました。」中小企業のM&A実例
(2)M&Aに向けて問題となったこと
●譲渡会社が複数に依頼し、M&Aを推進しようとした。
複数社に譲渡の依頼をするとご自分の信用を失うばかりか、買い手からすれば多方面からA社の譲渡の話を聞くので、いわゆる出回り案件と見なされ、会社の価値が低下してしまうので注意が必要です。
何社かにご相談するのは良いですが、仲介会社によって得意な規模・業種が異なりますので、それを見極め、依頼されるのが望ましいと思います。
(3)問題克服のために取った方策
●将来の事業計画書を予め作成する等、情報開示のスピードアップを図った。
●譲渡会社社長自らが自社の説明を誠心誠意行い、譲受希望会社との信頼関係構築を図った。
M&Aでは譲渡会社、譲受会社お互いの信頼関係が最も重要になります。特に、譲受側のスピード感に応えていくことも、譲受会社の信頼を得る上で大切なポイントになります。短期間でいかにお互いの信頼関係を構築できるかが大きなカギとなります。
4)M&A終了、その後の後日談
クロージング後、A社長から電話がありました。「B社長がもっと自分に関与してくるとばかり思っていたが、全面的に任せてくれているので、講師としての仕事に集中できる。B社長のお気遣いが有り難いが、拍子抜けのような気持ちもある。」と笑いながらおっしゃっていました。
M&Aによって、A社長が熱い思いで育ててきた会社の新しい船出が順調だと感じ、非常に嬉しく思いました。
(最終回終/全7回)
中小企業のM&A実例/事例2:進学塾のケース(第1回)
中小企業のM&A実例/事例2:進学塾のケース(第2回)
中小企業のM&A実例/事例2:進学塾のケース(第3回)
中小企業のM&A実例/事例2:進学塾のケース(第4回)
中小企業のM&A実例/事例2:進学塾のケース(第5回)
中小企業のM&A実例/事例2:進学塾のケース(第6回)