ビルメンテナンス2/6:事例2:M&Aの実例
●M&Aの実例
【第2回】ビルメンテナンスのケース
多角経営失敗、本業回帰の為に会社分割
〜金融債務圧縮による会社存続に成功〜
これでは社内から後継者を指名したくても、借入金の個人保証の問題等で金融機関の了承を得られない状況です。また中小企業金融円滑化法を利用しリスケジュールもしており、銀行からは借入金の大幅返済を求められており、その期限が迫っていました。
A社長はM&Aを活用すれば引退できるのではないかと考えましたが、具体的にどうしたらよいかわからず弊社に相談をされました。
A社グループの特徴は以下のようなものになります。
●グループ構成は持ち株会社、設計会社、建設会社、内装設備会社の4社。
●設計士を多く抱える老舗の設計事務所が元となりグループを構成している。
●グループ全体として業歴が長く老舗。知名度があり、顧客基盤は盤石。
●商業ビルを中心に設計を手掛け、グループ内の建設、内装設備・ビルメンテナンス会社へ仕事を回している。
●景気が良い時に自社ビルを購入し、結果的には売却したが大きな負債を残してしまった。
●姉歯事件やリーマンショックが原因による建設不況で業績を大きく落としており負債が大きい。
グループ全体としては、数億円程度の債務超過となっており、グループ会社内の資金の貸し借りも多く複雑な資金のやりとりがあるため、グループ会社の一社を切り離して株式譲渡をするのは困難な状況でした。しかし、このような中でも社長が引退するには、銀行借入金のうち、数億円程度の借入金を圧縮し債務超過を解消することが必要でした。しかし幸いなことに、子会社である内装設備会社のビルメンテナンス事業部は年間かなりの利益を上げていました。
図2.売り手A社の概要
(第2回終/全6回)
中小企業のM&Aの実例2:ビルメンテナンスのケース(第1回)
中小企業のM&Aの実例2:ビルメンテナンスのケース(第3回)
中小企業のM&Aの実例2:ビルメンテナンスのケース(第4回)
中小企業のM&Aの実例2:ビルメンテナンスのケース(第5回)
中小企業のM&Aの実例2:ビルメンテナンスのケース(第6回)