OA機器専門商社1/7:事例6:OA機器専門商社のケース/M&Aのアドバイザーが知る「現場におけるM&Aマナー」

M&Aのアドバイザーが知る「現場におけるM&Aマナー」/事例6:OA機器専門商社のケース(第1回/全7回)
事例6:OA機器専門商社〜マナー最終回:一つひとつの対応が、M&A成功・失敗の分岐点となる

マナー4: M&A候補先企業には、まずは「会ってみる」ことからすべては始まる。
マナー5: 客観的な企業価値を理解し過剰な希望を持ちすぎない。
マナー6: あまりに仔細な事ばかりに注目するのではなく、大所高所から見る。
マナー7: 譲渡条件は最初からはっきり決めておく。交渉途中から欲を出して条件を増やすと、交渉が難航する。
○M&Aで会社・事業を譲渡したいが、うちのような会社でも本当にできるのだろうか?
○M&Aで会社・事業を譲り受け、自社を拡大、もしくは新規事業として獲得したい。
○経営戦略としてM&Aを活用したいが、初めてM&Aを行うのでうまくいくか不安だ。
このように、M&Aを経営に役立てたいと思っていても、自社にとって本当に良い結果を生むのか、成功するのかと様々に疑問をお持ちの方もいらっしゃることと思います。実際、中小企業のM&Aの現場は、大企業同士のM&Aや海外企業のM&Aから抱くイメージとは大きく異なる点が多々あります。
中小企業のM&Aならではの、成功に導くM&Aのマナーについて、実例をもとにご参考にして頂ければと思います。

事例6:OA機器専門商社〜不信感による譲渡失敗〜

M&Aの背景
譲渡希望会社A社は関東のOA機器専門商社です。業歴は35年で、A社長は80歳と高齢であり、引退による事業承継を希望。
早速弊社に登録されている譲受希望会社から候補先を絞り込み、数社ご紹介した中で特に強く譲受を希望したのがB社でした。譲受希望会社B社も同様にOA機器関連会社です。首都圏で事業所を展開しており、事業拡大を模索していました。
早速トップ面談を実施し、具体的な条件交渉に入ります。
【売り手A社から提示された主な譲渡条件】
1.雇用条件を引き継ぐ形での従業員の雇用継続。
2.100%子会社のIT関連会社A社もあわせて譲渡。
その後、トップ面談を重ねたものの、基本合意の条件調整の段階で買収を強く希望していたB社からA社譲受を断られ、破談になってしまいました。
次に、C社をご紹介しました。C社は文具卸会社です。C社長は30代の若い経営者で、A社のしっかりとした顧客基盤や事業エリアに魅力を感じ、強く譲受を希望していました。C社との交渉は順調に進み、最終契約を締結、引継ぎも無事完了しました。
(第1回終/全7回)

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