プリスクール1/4:事例3:英語幼児教室・プリスクールのケース/M&Aのアドバイザーが知る「現場におけるM&Aマナー」
(マナー2.)M&Aは人間関係で成否が分かれる
〜M&A後を見据えどのようなM&Aを行うべきか、具体的ビジョンを持つこと〜
○M&Aで会社・事業を譲渡したいが、うちのような会社でも本当にできるのだろうか?
○M&Aで会社・事業を譲り受け、自社を拡大、もしくは新規事業として獲得したい。
○経営戦略としてM&Aを活用したいが、初めてM&Aを行うのでうまくいくか不安だ。
このように、M&Aを経営に役立てたいと思っていても、自社にとって本当に良い結果を生むのか、成功するのかと様々に疑問をお持ちの方もいらっしゃることと思います。実際、中小企業のM&Aの現場は、大企業同士のM&Aや海外企業のM&Aから抱くイメージとは大きく異なる点が多々あります。
中小企業のM&Aならではの、成功に導くM&Aのマナーについて、実例をもとにご参考にして頂ければと思います。
事例3:英語幼児教室・プリスクール〜デューディリジェンス時の失敗により関係悪化〜
M&Aの背景
譲渡希望会社D社は複数の事業を運営、家庭の事情により、英語幼児教室・プリスクールの譲渡を希望。教室は首都圏の富裕層の多い地域に立地しており、顧客数が安定。また、カリキュラムに独自性があり、保護者からの評判が非常に高いという特長があります。D社は最初、別の仲介会社に譲渡を依頼したものの長期間何もしてもらえず、困って弊社に依頼してきた経緯があります。
一方、譲受希望会社E社は首都圏のビルメンテナンス会社で、教育分野に新規進出を希望。譲受希望候補先が多かった中、E社が特に強く譲受を希望してきました。M&Aの窓口は、E社長ではなく、E社子会社のF部長です。
トップ面談後、内密に英語幼児教室を見学したE社長とF部長は、子供たちに対する英語教育レベルの高さ、しつけのノウハウ、カリキュラム等に大きな魅力を感じ、譲受を決意。売り手D社長も、交渉で希望条件が押し戻されましたが、E社のような規模の大きいしっかりとした会社に譲りたいという強い思いからM&Aが合意しました。
基本合意書を締結後、DDを実施。ところが、DDの段階で売り手D社長とE社の関係が悪化、何とか最終契約を締結したものの、どちらにとっても「M&Aが成功した」とは言えない状況になってしまいました。
(第1回終/全4回)
M&Aのアドバイザーが知る「現場におけるM&Aマナー」/事例3:英語幼児教室・プリスクールのケース(第2回)
M&Aのアドバイザーが知る「現場におけるM&Aマナー」/事例3:英語幼児教室・プリスクールのケース(第3回)
M&Aのアドバイザーが知る「現場におけるM&Aマナー」/事例3:英語幼児教室・プリスクールのケース(第4回)