ギフト雑貨メーカー3/3:事例2:ギフト雑貨メーカーのケース/M&Aのアドバイザーが知る「現場におけるM&Aマナー」
【失敗ポイント2】M&Aを投資行為と考え、マネジメントを放棄
しばらくして、C氏から弊社に電話がありました。「B社長と連絡がまったく取れず、困っている。」とのことでした。
弊社からすぐにB社長に連絡を取ったところ、B社長は「C氏と自分との考えに大きな相違があり、正直なところC氏と話もしたくない心境だ。自分はA社に投資したと思っている。A社の経営はC氏にすべて任せると言っているのに、C氏は『B社長がA社の新社長になったらどうか』と言う。それに、C氏も他の社員も非協力的で、自分も非常に困っている。C氏を社長にして失敗だったとも思うが、自分は社長経験が浅く、A社の社長として今更やっていく自信がない。」とのこと。
B社長は、M&Aは投資行為だという考えから、自分は株主でありオーナーとして存在し、マネジメントをA社にすべて任せるつもりだったようです。買い手側が通販サイトという担当業務のみに専念し、新しい方針や戦略をまったく示そうとしないのでは、会社として一つの方向に進んでいくことが難しくなります。現に、A社の売上はライセンス契約に抵触しそうな程減少してしまったそうです。
(第3回終/全3回)
M&Aのアドバイザーが知る「現場におけるM&Aマナー」/事例2:ギフト雑貨メーカーのケース(第1回)
M&Aのアドバイザーが知る「現場におけるM&Aマナー」/事例2:ギフト雑貨メーカーのケース(第2回)