M&Aのアドバイザーが知る「現場におけるM&Aマナー」/事例1:訪問介護のケース(第2回/全4回)
訪問介護事業売却を希望するC社と、歯科医院を複数運営するD社との最初のトップ面談はとても和やかに行われました。M&Aによる両社の事業の相乗効果も明確になり、順調にM&Aが進むかに見えました。
M&Aの条件のすり合わせ
トップ面談を重ねて条件のすり合わせを行いましたが、基本合意直前に売り手C社長が譲渡時期を変更し、半年ほどずらしてほしいと言ったのがきっかけとなり、買い手D社長が、この半年間業務提携を結び、両社で訪問介護事業を運営した後に、改めてM&Aを検討したいと言い出し、結局M&Aは破談となりました。
M&A破談後の両社
売り手C社・・・その後別の譲受希望会社E社をご紹介、幸いにも雇用条件が従前どおりに守られ、好条件で成約に至りました。
買い手D社・・・両社の事業エリアが近隣であり、C社の訪問介護事業の顧客基盤がしっかりしていて従業員のモチベーションが高いため、自社の訪問歯科事業との間に大きな相乗効果が見込めましたが、C社と破談した後、なかなか希望通りの譲渡希望会社と出会えず、譲受完了には至っていません。
M&Aアドバイザーから見たM&A失敗の原因
このケースで、基本合意直前に急にM&Aの交渉が決裂してしまったのには、大きく2つの原因がありました。
(第2回終/全4回)
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