中小企業のM&Aの進め方と注意点(第3回/全3回)
中小企業のM&Aの進め方と注意点(第3回/全3回)
第3回:中小企業のM&A成功に最も必要な心構えとは
【両社共通の注意点】
1 M&Aアドバイザーと信頼関係を築くことが成功の秘訣
M&Aアドバイザーは、売り手、買い手双方のM&Aの目的や交渉上重要視しているポイントなどを理解し、交渉の流れを読みながら、双方がより良い形で成約できるようにアドバイスする、云わば「仲人」の役割を果たします。
M&A交渉で何の課題やハプニングもなく成約できるケースは殆どなく、その際にアドバイザーと腹を割った意見交換や交渉における妥協案などを模索できる下地を作っておくことが非常に重要になります。
2 当事者同士の直接交渉はしない
M&Aには交渉すべき項目が数多くあります。
両社が仮に意気投合したとしても、それは部分的なものにすぎない事があります。あるひとつの交渉テーマをきっかけに対立してしまう危険すらあります。
交渉のすれ違いを避けるためにも、仲介会社を通して交渉すべきでしょう。
M&Aの成功に最も重要な心構えとは?
とかくM&Aというと、条件を有利に展開しようと激しい交渉をするイメージを持たれがちですが、M&Aの本来の目的はM&A成約後に両社で相乗効果を最大限発揮することです。
そのためには交渉段階から良好な関係を築くことが必要であり、トップが自ら交渉を行い、互いの企業文化を尊重し、条件交渉には幅を持ち、些細な問題に捉われず大局的な判断をする事が重要だと思います。
中小企業のM&Aの成功の条件を一言でいうならば、交渉力ではなく人間力であり、重要なのは財務数値よりも、人間関係や互いの企業文化を尊重しあう事だと感じています。
(終:第3回/全3回)
第1回:中小企業のM&Aの進め方と注意点
第2回:中小企業のM&A交渉における会社・事業売却側の注意点、買収側の注意点